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記事掲載日:

2024年10月15日

更新日:

2025年4月16日

【図解でわかりやすく】管理会計と制度会計の違いとは?意味や役割を解説

制度会計と管理会計はそれぞれ企業にとって重要で、役割も使い方も異なるものです。制度会計は、株主や税務当局など外部への報告を目的とした会計。
一方、管理会計は、経営判断やコスト管理といった社内向けの意思決定に活用される会計です。

本記事では、

  • 制度会計と管理会計の違いと役割

  • 財務会計・税務会計との関係性

  • 経営や会計業務にどう活かせるのかという実務視点

といった観点から、それぞれの会計の意味と使い分けをわかりやすく整理します。

本記事を読むことで、制度会計と管理会計の特性を正しく理解し、業務改善や経営判断に役立てるヒントを得ることができます。

制度会計と管理会計の目的と役割

企業会計には、制度会計と管理会計という2つの異なるアプローチがあります。いずれも企業の財務状況を把握し、適切な経営判断を行ううえで欠かせない仕組みです。

この章では、それぞれの目的や担う役割の違い、そして企業経営における重要性について詳しく見ていきましょう。

 

制度会計の主な目的

制度会計は、企業の財務状況を株主や金融機関、税務当局といった外部の利害関係者に正確に伝えることを目的とした会計です。

制度会計は、主に財務会計と税務会計で構成されており、「金融商品取引法」「会社法」「法人税法」など、各種法令や会計基準に基づいて運用されています。

主な目的としては、以下のような外部向け情報の提供が挙げられます。

  • 株主や投資家への情報提供

    ⇒ 企業の財務健全性や収益力を評価するため

  • 金融機関への融資判断材料の提供
    ⇒ 貸付のリスク評価に必要

  • 税務申告のための基礎資料作成
    ⇒ 適正な納税額を算出するための根拠資料

管理会計の主な目的

一方、管理会計は、企業内部の経営者や管理者が意思決定を行うための情報を提供することを目的とした会計です。法律による規制がなく、各企業の状況や経営課題に応じて、柔軟に設計・運用できるのが特徴です。

また、制度会計が過去の実績を重視するのに対し、管理会計は将来の経営改善に役立つ未来志向の会計でもあります。

管理会計の主な目的には、以下のようなものがあります。

  • 経営戦略の立案と評価

    ⇒ 中長期的な方針を策定し、実行状況を見直すため

  • 予算管理と業績評価
    ⇒ 資源の配分状況を把握し、改善点を明確にするため

  • 原価管理と収益性分析
    ⇒ コスト構造を可視化し、収益力を高めるため

 

企業経営における両者の役割

制度会計と管理会計は、企業経営において相互補完的な役割を果たしています。

  • 制度会計
    財務状況を正確に記録・報告
    ⇒ 外部への説明責任を果たす手段

  • 管理会計
    部門別の収益性やコスト構造の分析
    ⇒ 経営判断や業績改善に直結する情報を提供

両者を適切に使い分けることで、財務の透明性を保ちながら、実効性の高い経営戦略の立案と実行が可能になります。

 

経営意思決定への貢献

制度会計と管理会計は、それぞれ異なる視点から、経営者の意思決定を支えています。
その特徴と用途の違いは、以下のように整理できます。

制度会計

管理会計

特徴

過去の財務データを基に企業の現状を把握できる

詳細かつタイムリーな情報を提供できる

主な用途

経営方針の決定を支える情報提供

経営層による戦略立案

両者を効果的に組み合わせることで、企業は財務的な視点と戦略的な視点の両方から、総合的な視点に基づく経営判断を行うことが可能になります。
これにより、企業価値の向上や持続可能な成長につなげることができるでしょう。

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制度会計と管理会計の違いとそれぞれのメリットを解説

制度会計と管理会計の違いを正しく理解することで、財務管理の精度を高めたり、より実効性のある経営戦略を立てたりできるようになります。

この章では、両者の違いを「情報の範囲」「報告の頻度と形式」「利用者の違い」「適用ルールと柔軟性」といった観点から整理し、それぞれのメリットについても解説します。

 

対象となる情報の範囲

制度会計と管理会計では、扱う情報の範囲が大きく異なります。

制度会計は、企業の財政状態や経営成績を示す財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)の作成に焦点を当てています。

一方、管理会計は、企業の内部管理や意思決定に必要な情報を扱い、原価計算、予算管理、業績評価、投資判断など、目的や部門に応じて柔軟に活用されます。特に、部門別・製品別といった粒度の高い分析も可能で、経営判断の迅速化や改善活動の推進に役立ちます。

 

報告の頻度と形式

制度会計と管理会計では、報告の頻度や形式、柔軟性にも大きな違いがあります。まずは下記の表で両者の違いを整理します。

項目

制度会計

管理会計

報告の頻度

年次決算、四半期決算

日次、週次、月次など必要に応じて設定

報告の形式

法律で定められた形式

企業の内部ニーズに応じた形式

報告の柔軟性

固定的

高い柔軟性

制度会計では、法律や会計基準に従い、決算期ごとに定められた書式とタイミングで報告を行う必要があります。主に年次決算や四半期決算が該当します。

一方、管理会計は企業内部での活用を目的とするため、報告のタイミングや形式は経営上のニーズに応じて自由に設計できます。日次や週次、月次での報告も可能であり、内容もグラフや図表などを多用した視覚的にわかりやすい形式が選ばれることが多くなっています。

 

利用者の違い

制度会計と管理会計では、主な利用者が異なります。

制度会計は、株主、投資家、金融機関、取引先、税務署などの外部の利害関係者に向けて財務諸表が作成されます。作成された財務諸表は、企業の財務状況を正しく評価し、投資や融資の判断、取引リスクの検討、納税の根拠とするために使用されます。

一方、管理会計は、企業内部の経営者や管理職、部門責任者を主な利用者とし、経営戦略の立案、予算策定、業績評価、原価管理などの場面で活用されます。管理会計の情報は、企業の競争力強化や業務の効率化に直結する意思決定を支える役割を担います。

 

適用されるルールと柔軟性

制度会計と管理会計では、適用されるルールの厳しさや柔軟性に明確な違いがあります。

制度会計

・法律や会計基準によって厳格に規定されており、企業会計原則や金融商品取引法、会社法、法人税法などに準拠して行われる。

・帳票や財務諸表も、統一されたルールに従って作成されるため、財務情報の信頼性が高く保たれる。

管理会計

・法的な規制がなく、企業独自のニーズに応じて柔軟に設計・運用できる。

・事業部門ごとの収益性分析や、新製品の収益予測など、戦略的な意思決定に直結する情報を柔軟に作成できる。

このように、制度会計は対外的な信頼性と整合性、管理会計は内部の意思決定支援と柔軟な対応力にそれぞれ強みがあります。

経営者や財務担当者は両者の違いを理解したうえで、目的に応じてバランスよく活用することが、持続的な経営改善につながります。

 

財務会計との関係性

財務会計とは、企業の経営活動の成果や財務状況を、財務諸表などを通じて外部に報告することを目的とした会計手法です。

財務会計は、制度会計を構成する主要な要素の一つです。制度会計の中でも、特に株主や投資家、金融機関などの外部関係者に対して、企業の収益力や財務体質を正確に伝えるために用いられます。貸借対照表や損益計算書といった財務諸表の作成が中心的な役割です。

また、財務会計で作成された財務諸表は、管理会計における分析や経営判断の基礎データとして活用されます。さらに、管理会計で得られた詳細な分析結果が、財務会計における情報開示の質や説得力を高めることもあります。このように、財務会計と管理会計はそれぞれ異なる目的を持ちながらも、相互に補完し合う関係にあります。

 

税務会計との違い

税務会計とは、税法に基づいて所得を計算し、適正な納税を行うための会計手法です。法人税や消費税などの申告を目的に、企業の取引を税法に沿って処理します。

税務会計は、制度会計の一部であり、法人税法などの税法に従って行われる点が特徴です。財務会計と似た処理もありますが、税法上の特例や加減算などの調整が入るため、数値が一致しないこともあります。

管理会計が、経営判断や業績管理など内部の意思決定に特化した柔軟な会計であるのに対し、税務会計は法令に従って正しく納税することを目的とした対外的な会計です。両者は一部で連携する場面もありますが、目的やルールが大きく異なるため、明確に区別して運用する必要があります。

会計の分類と主な違い

制度会計と管理会計の共通点

制度会計と管理会計は、それぞれ役割は異なりますが、企業の財務状況を把握し、経営判断を支援するという共通の目的を持っています。

両者とも、売上や費用、資産といった財務データを基に情報を整理・活用する点が共通しています。制度会計で作成される財務諸表のデータは、管理会計でも意思決定や分析に使われています。

また、どちらも経営者や管理者にとって意思決定に必要な情報源として機能しており、資金繰りや原価管理にも関与します。

制度会計ではキャッシュフロー計算書を通じて企業全体の資金状況を把握し、管理会計ではより詳細な資金繰りや予算実績管理を行います。原価においても、制度会計の製造原価報告書と、管理会計の原価分析は互いを補完し合う関係にあります。

制度会計と管理会計の実務

制度会計と管理会計は、企業経営を支える車の両輪のような存在です。

目的や使い方は異なりますが、どちらも財務状況の把握と経営判断の支援に欠かせない役割を担っています。

この章では、両者の実務的な側面に注目し、

  • 会計業務の流れ

  • 必要な資料と記録

  • システム活用の重要性

  • 会計専門家の役割

の4つの観点から詳しく解説していきます。

 

会計業務の流れ

制度会計と管理会計の業務フローは、基本的な部分で共通していますが、その目的や対象となる期間に違いがあります。

制度会計の業務

主に月次決算と年次決算を中心に進められます。
月次決算では、日々の取引を仕訳し、勘定科目ごとに集計して試算表を作成します。
年次決算では、これらの月次データを基に、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を作成します。
また、税務申告のための資料作成も制度会計の重要な業務の一つです。

管理会計の業務

日次や週次での売上・利益の集計、部門別や製品別の原価計算、予算実績比較などが主な業務となります。

これらの情報は、部門別・製品別に分析され、経営者や各部門の責任者に随時報告され、迅速な意思決定に活用されます。

 

必要な資料と記録

制度会計と管理会計で必要となる資料や記録には違いがあります。以下の表に主な違いをまとめました。

分類

制度会計

管理会計

必要な帳簿

仕訳帳、総勘定元帳、補助元帳など

必要に応じて、部門別・製品別の集計表や独自フォーマットの帳票など

必要な書類

請求書、領収書、契約書などの証憑書類

内部レポート、KPIデータ、現場の数値報告など

扱うデータの範囲

売上・費用・資産など、企業全体の財務データ

製品別・部門別などの詳細データ、非財務指標(稼働率、在庫回転率など)を含む

特徴

外部監査・税務調査などの法的対応が必要

市場動向・競合情報も含めた柔軟な分析・活用が可能

 

システム活用の重要性

現代の会計業務において、システムの活用は不可欠です。制度会計・管理会計のいずれにおいても、適切なツールを導入することで、業務の効率化と精度向上が図れます。

制度会計では、仕訳から財務諸表までを一貫して処理できる会計ソフトが広く使われており、法改正や会計基準の変更にも対応できるよう定期的にアップデートされています。

一方、管理会計では、ERPやBIツールなどの高度な分析機能を持つシステムが活用され、部門別・製品別のデータ分析や、リアルタイムでの業績モニタリングを支援します。

また、クラウド型の会計システムも普及が進んでおり、場所を問わず会計情報にアクセスできる環境が整いつつあります。こうしたスマートな仕組みは、経営者の迅速な意思決定を支えるインフラとなっています。 

 

会計専門家の役割

制度会計と管理会計の実務では、それぞれの分野に精通した専門家の支援が不可欠です。

  • 制度会計
    公認会計士や税理士が、財務諸表の作成や税務申告をサポートするほか、会計基準や税法に基づき、企業の財務報告が正確に行われるよう支援します。また、外部監査においては、監査法人の公認会計士が財務諸表の適正性を検証する役割を担います。

  • 管理会計
    経営コンサルタントや中小企業診断士などの専門家が、経営戦略の立案や業績改善を支援します。財務データに加え、市場動向や競合情報も活用しながら、経営判断に必要な多角的な分析を提供します。 

 

まとめ:制度会計と管理会計の違いとは

制度会計と管理会計は、企業会計の中で異なる役割を持つ2つの重要な手法です。最後に、両者の主な違いを表にまとめて整理します。

項目

制度会計

管理会計

目的

外部への財務報告

経営判断・意思決定の支援

適用されるルール

法律や会計基準に基づく

企業ごとの任意設計

報告の頻度、形式

年次・四半期ごと、決まった形式

月次・週次など、柔軟な形式

扱う情報の範囲

財務データ中心

部門別・製品別の詳細データ、非財務情報など

活用場面

財務報告・税務申告など

業績管理・戦略立案・コスト分析など

制度会計で作成された財務諸表を基に、管理会計で詳細な分析を行うことで、より的確な経営判断が可能になります。

近年は、クラウド型会計システムやERP、BIツールの普及により、両者を連携させた運用が容易になってきました。財務データを一元管理しながら、部門別や製品別の実績を可視化・分析できるため、情報の活用範囲が広がり、意思決定などのスピードが向上しています。

また、クラウド環境により、時間や場所にとらわれず経営状況をリアルタイムで把握できる点も、迅速な判断を支える要素となっています。

制度会計で財務の透明性と信頼性を確保し、管理会計で実践的な戦略判断を行うなど、この両者をバランスよく活用することが、企業の競争力と持続的な成長の鍵となるでしょう。

 

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