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記事掲載日:

2026年8月13日

更新日:

2026年8月13日

SalesforceとERPの一元化・連携手法を解説|外部連携vsネイティブERPの選び方

Salesforceを活用する中で、「SalesforceにERPの機能も一元化したい」「既存のERPとSalesforceを連携して業務効率化を図りたい」と検討する企業が増えています。
優秀なCRM(顧客関係管理)・SFA(営業支援システム)であるSalesforceは拡張性などで便利なプラットフォームですが、会計や在庫・生産管理といったバックオフィス領域まで一元管理するには適切な設計やAgentExchange(AppExchange)製品の利用などが不可欠です。

SalesforceとERPの違いや連携・一元化が必要な理由をはじめ、環境構築における2大アプローチ(外部連携 vs ネイティブERP)をご紹介します。自社の企業規模や既存システムに応じた最適な選び方も比較表付きでお伝えするので、システム統合やDX推進を担当されている方はぜひ参考にしてください。

SalesforceはERPといえるの?CRMとの決定的な違い

Salesforceは顧客管理(CRM)や営業支援(SFA)をはじめ、セールスやマーケティング支援やカスタマーサポートなど、ビジネスを成長させるための多彩な機能と拡張性を備えたクラウドプラットフォームです。しかし、結論から言えばSalesforceは各種機能を備えているものの、あくまで「CRM/SFA」であり、単体で「ERP(基幹系システム)」として完結するシステムではありません。

顧客との接点を強化・最大化することを得意とするSalesforceと、企業全体の基幹業務を支えるERPとでは、目的やカバー範囲が大きく異なります。
一見近しいシステムにみえますが、扱う業務やデータの範囲はそれぞれ別れています。

CRM(顧客関係管理)とERP(企業資源計画)のそれぞれの役割

CRMとERPの決定的な違いは、「管理する対象」と「支援する業務領域(フロントオフィスかバックオフィスか)」にあります。

CRMとERPの違い

CRM(Customer Relationship Management)

  • 役割:顧客情報の蓄積や商談プロセスの可視化、問い合わせ履歴の管理など、「フロントオフィス(顧客接点)」の業務を支援する。

  • 目的:顧客満足度の向上と売上・利益の最大化。

ERP(Enterprise Resource Planning)

  • 役割:財務会計・販売管理・在庫管理・生産管理・人事など、「バックオフィス(基幹業務)」にまたがる企業のリソース(ヒト・モノ・カネ・情報)を一元管理する。

  • 目的:全社的な業務効率化と経営資源の最適配分。

つまり、CRMがセールスや顧客接点を重視し「売上を作るためのシステム」であるのに対し、ERPは「作った売上を処理し、企業の経営資源を正しく管理・運用するためのシステム」と言えます。

販売・在庫・会計はSalesforce単体ではカバーしにくい

営業活動において、Salesforceで管理している顧客情報や商談情報と、その後に発生する「販売管理」「在庫管理」「会計処理」といった業務は密に連携していますが、これらの業務領域はSalesforceの標準機能だけで完全にはカバーすることができません。

「標準機能でカバーできないのであれば、Salesforce上にカスタムオブジェクトを作成してアドオン開発を行えば解決するのでは?」と検討する企業もあります。しかし、Salesforce上への個別開発は、以下のような理由からなかなか現実的ではないのも実情です…

  • 開発コストと期間の肥大化
    複雑な会計ルールやリアルタイムな在庫引き当て処理などをゼロから構築・テストするには、多大なコストと長期間の開発が必要となります。個別開発の場合、自社の要件に合わせることは可能ですが、その分開発工数が大きくなってしまいます。

  • 法改正・機能更新への追従難度
    インボイス制度や電子帳簿保存法といった法改正、あるいは会計基準の変更が生じるたびに自社で改修を行わねばならず、運用保守の負担が極めて重くなってしまいます。

このように、Salesforce単体でバックオフィス業務まで網羅することはかなり難しいと言えます。

そのため、営業データと基幹データを統合するには、外部ERPとの連携や専用ソリューションの導入が必要不可欠となります。

SalesforceとERPを連携・一元化すべき4つの理由

前述の通り、Salesforce単体で会計や在庫管理といった基幹業務を網羅することには限界があります。しかし、営業活動の延長にある「見積発行」や「在庫引き当て」といった受注前後の業務をSalesforce上でシームレスに扱えるようになれば、業務の利便性とスピードは大きく向上しメリットが大きいのも事実です。
フロントオフィス(Salesforce)とバックオフィス(ERP)を連携・一元化できると以下のような大きなメリットがあります。

ERP連携4つの理由


二重入力が減り、入力ミスが減る!業務効率化

SalesforceとERPが分断されている環境では、営業担当者がSalesforceに入力した商談・受注内容を、バックオフィス担当者が別の販売管理システムへ手動で転記(二重入力)する作業が発生しがちです。

両者を連携・一元化することで、商談が受注フェーズに進んだ段階で、同一データが即座にERP側へと共有・反映されます。転記作業そのものが不要になるため、入力の手間が削減されるだけでなく、転記漏れや打ち間違いといったヒューマンエラーを大幅に防ぐことができます。

商談から受注・請求・出荷までのプロセスの最適化

商談の開始から受注・出荷・請求に至る一連の業務プロセスとデータを一元管理することで、業務全体の流れが最適化されます。

システム同士が連携していない場合、「Salesforce上の受注金額と販売管理システム上の見積金額に不整合が生じ、予実管理に誤差が出る」「正確な在庫数が即座に反映されず、出荷遅延が発生する」といった問題が生じやすくなります。プロセスの統合により、データの差異やタイムラグが解消され、スムーズかつ正確な業務運用が可能になります。

リアルタイムな在庫状況・入金情報の共有による営業力の強化

Salesforce上でERP側の「最新の在庫状況」や「売掛金・入金情報」をリアルタイムに確認できるようになると、営業の提案力と対応力が格段に高まります。

営業担当者は商談中であっても、正確な在庫データに基づいた見積もりや納期回答を素早く提示できるため、販売機会の損失を防げます。
また、万が一顧客の入金遅延が発生した際にもSalesforce上で素早く状況を察知し、適切なタイミングでフォローを入れるなど、顧客接点の強化につなげることができます。

データ統合による意思決定のスピード向上

営業活動の見込みデータ(フロント)と、実績となる販売・在庫・会計データ(バックオフィス)が一つの環境に統合されることで、経営状態をより正確かつ多角的に分析できます。

一元化されたデータをもとにSalesforceのレポートやダッシュボードを活用すれば、リアルタイムで正確な経営数値のモニタリングが可能になります。レポート作成のための集計作業に時間を取られることなく、データドリブンな意思決定を迅速に行えるようになり、管理部門や経営層にも大きなメリットがあります。

Salesforceで環境を構築する2つの主要アプローチ

業務プロセスの最適化やデータ統合による意思決定の迅速化といったメリットを目指し、SalesforceとERPの統合・連携に取り組む企業が増えています。

この取り組みは、データの一元化や経営分析の強化だけでなく、日々システムを操作する営業担当者やバックオフィス担当者の業務負荷軽減・ミス撲滅にも直結するため、現場視点でも導入効果が極めて高い戦略と言えます。

Salesforceを中心にERP環境を構築・整備する場合、大きく分けて「既存ERPとの外部連携」と「ネイティブERPの導入」という2つのアプローチがあります。

Salesforce連携の2つのアプローチ

アプローチ①:既存の外部システム(SAP/NetSuite等)とデータ連携する

1つ目は、現在利用している基幹システム(SAP、NetSuite、勘定奉行などの外部ERP・オンプレミスシステム)をそのまま維持し、データ連携ツール(MuleSoftやmitoco Xなど)を活用してSalesforceと連携するアプローチです。

具体的には、以下のような運用を実現します。

  • 商談受注時の自動連携
    Salesforce上で商談が「受注」フェーズに移行すると、即座に受注データが外部ERPへ自動転記され、出荷指示や請求処理へスムーズに引き継がれる。

  • Salesforceから在庫データの参照
    外部ERPにある最新の在庫数をSalesforce側に同期させ、営業担当者が商談・見積作成時にリアルタイムで確認できるようにする。

このアプローチにおいて重要となるのが「リアルタイム性」です。バッチ処理による日次更新などではデータのタイムラグが生じ、在庫不足での受注や手戻りが発生するリスクが残るため、データ連携ツールやAPIを用いたリアルタイムなデータ同期設計が鍵となります。

 

アプローチ②:Salesforce上で動く「ネイティブERP(AppExchange)」を導入する(mitoco 会計, Fujitsu GLOVIA OM等)

2つ目は、Salesforceのアプリケーションマーケットである「AgentExchange(AppExchange)」で提供されている、Salesforceプラットフォーム上で直接稼働するSalesforceネイティブなERPを導入するアプローチです。

グローバルでは「Rootstock」などがありますが、日本国内での代表的なソリューションとしては、Salesforce上で稼働する販売・生産・在庫管理の「Fujitsu GLOVIA OM」と「mitoco 会計」を統合した「mitoco ERP」などが挙げられます。このアプローチでは、CRMからERP領域までの業務システム全体がSalesforceという同一のクラウド環境上で動作します。

既存の外部基幹システムをリプレイスする必要があるため導入時の移行ハードルは存在しますが、Salesforceが持つ堅牢なセキュリティ基盤、柔軟な権限設定、統一されたUIをバックオフィス業務にもそのまま適用できます。また、同一プラットフォーム内でデータが保持されるため、外部システムとのAPI連携開発やメンテナンス費用を気にすることなく、データ一元化と運用の統一を実現可能です。

 

【比較表】「外部連携」vs「ネイティブERP」の選び方・判定基準

SalesforceとERPを一元化・連携させる手法として「外部連携」と「ネイティブERP」の2つのアプローチを紹介しましたが、どちらのアプローチが良いかは、自社の業務や環境によります。

まずは、両アプローチの違いを比較表で整理します。

 

① 外部連携アプローチ(既存ERP接続)

② ネイティブERPアプローチ(mitoco ERPなど)

概要

既存のERP(SAPやNetSuite等)とSalesforceをiPaaS/APIで接続

Salesforceプラットフォーム上で動くERPパッケージを新規導入

既存システム

既存の基幹システムをそのまま継続利用

既存の基幹システムをリプレイス(置き換え)

連携レベル

システム間での定期/リアルタイム同期が必要

同一データベース上で一元化

導入・運用コスト

既存基幹を生かせるが、連携ツールのライセンスや構築・保守費が発生

リプレイスの一時的な導入費用は発生するが、システム統合により長期的な運用保守・管理コストは低減

主な対象企業

大規模ERPが既に定着している企業、複雑な生産管理を持つ企業

システム管理を一本化したい中堅企業、DX基盤を整えたい企業

企業規模・既存システム・業務複雑度に基づく選定ポイント

自社に最適なアプローチを判定する際は、「企業規模」「既存システムの現状」「業務の複雑度」という3つの軸から総合的に判断することが重要です。

1. 企業規模とシステム投資の方向性

  • 大企業・グローバル企業 → 「外部連携」が優勢
    すでに数千万人〜数千社規模のデータを処理する堅牢な大規模ERP(SAPやOracle等)が定着している場合、基幹システム自体のリプレイスは莫大なコストと業務リスクを伴います。また、グループ会社の関係で基幹システムを指定されている場合もあります。その場合Salesforceと既存ERPの強みをそれぞれ活かす「外部連携」が現実的な選択肢となります。

  • 中堅企業、成長企業 → 「ネイティブERP」が優勢
    ITインフラの管理リソースや予算に限りがある場合、Salesforceという単一のプラットフォーム上に運用をまとめることで、システム運用保守の負担とトータルコスト(TCO)を最小限に抑えられます。ただし、経理業務をアウトソーシングしている場合などは会計システム自体を変更できないといった場合もあります。

2. 既存システムの老朽化(レガシー化)と刷新タイミング

  • 既存システムが安定稼働しており、満足度が高い → 「外部連携」
    現在の基幹システムに大きな不満がなく、業務プロセスも円滑に回っている場合は、無理にリプレイスせずmitoco XやiPaaSを用いた連携基盤の構築を優先すべきです。ERPの場合、関係する部署・部門の多くなり、リプレイス自体が大きなコストとなります。

  • 既存システムが老朽化している、またはERP未導入 → 「ネイティブERP」
    オンプレミス基幹システムの老朽化(レガシー化)に伴い刷新を検討しているタイミングや、これから新たに本格的なERPを導入するフェーズであれば、SalesforceネイティブERPへ一本化することで、システム刷新とDX推進を同時に達成できます。

3. 業務プロセスの複雑度と標準化の可否

  • 特殊な製造プロセスや独自の原価計算が必要 → 「外部連携」
    業界固有の極めて複雑な個別受注生産、特殊な会計基準、緻密な原価計算が必要な業種では、そうした要件に特化した専門ERPを活用し、受注・顧客データのみをSalesforceと連携させる構成が安全です。

  • 標準的な商流・販売管理で対応可能 → 「ネイティブERP」
    ITサービス業、商社、一般的な卸売・製造業など、標準的な販売・在庫・会計プロセスで業務を回せる場合は、AppExchangeのネイティブERP(mitoco ERP等)を活用する方が、システム間のデータギャップが発生せず、圧倒的な業務スピードを手に入れられます。

Salesforceネイティブな「mitoco ERP」のメリット

Salesforceプラットフォーム上で完結する「mitoco ERP」のようなネイティブERPを選択することは、単にシステムを新しくするだけでなく、業務フローとデータ活用に多くのメリットをもたらします。特に以下の4つのポイントは、外部システム連携では実現が難しいネイティブERPならではの大きな強みです。

  • 業務プロセスの同一プラットフォーム化とデータ統合
    商談から見積作成、在庫引き当て、出荷、請求、そして入金確認に至るまで、すべての業務プロセスがSalesforceという単一のプラットフォーム上でシームレスに完結します。別システムへのログインや画面の横断が不要になり、入力負担が劇的に軽減されます。また、データが同一のデータベース内に集約されるため、連携エラーやデータ不整合のリスクからも解放されます。

  • 営業・顧客データと財務データを掛け合わせた高度なデータ分析
    Salesforceが持つ強力な「レポート」や「ダッシュボード」機能を、バックオフィス領域のデータにもそのまま活用できます。「どの顧客属性・営業手法(CRMデータ)が最も高い収益性・粗利(財務データ)をもたらしているか」といった、フロントとバックオフィスのデータを横断した多角的な分析が容易に行えます。

  • システム分散の解消による運用保守コストの削減
    複数のシステムを併用する場合に発生する連携用APIの維持・開発費用や、個別ベンダーへの保守費用がかかりません。さらに、ユーザー管理や権限設定、セキュリティ基盤をSalesforce側に集約できるため、IT部門における運用の手間とトータルコスト(TCO)を大幅に削減できます。

  • AI活用による業務プロセスの自動化と精度向上(mitoco ERPの事例)
    例えば「mitoco ERP」のような最新のネイティブERPであれば、AIプラットフォームである「mitoco Buddy」との連携が可能です。AIが日常の業務プロセスを自動化するだけでなく、大量の仕訳データや入金データから「異常値の自動検知」や「入力ミスの警告」をしてくれるなど、業務の省力化とガバナンス強化を同時に実現できます。

まとめ:システムの一元化で組織全体のDXを一歩先に

Salesforceは営業支援や顧客管理において非常に強力なプラットフォームですが、受発注や在庫・会計といったバックオフィス領域まで一元管理するためには、適切なERPとの連携・一元化設計が欠かせません。下記の2つのアプローチでSalesforceへの一元化を進めることが可能です。

  • 外部連携アプローチ
    既存の大型ERP(SAPやNetSuite等)を活かしつつ、iPaaSや連携ツールでデータをリアルタイム同期する。既存システムが定着している大企業や、非常に複雑な業務ロジックを持つ企業に最適。

  • ネイティブERPアプローチ
    Salesforce上で動く「mitoco ERP」などのAppExchange製品を導入し、同一プラットフォーム上でデータを完全一元化する。システム管理を一本化し、運用コストの削減や高いデータ活用・AI連携を目指す中小〜中堅企業に最適。

mitoco ERP

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