
ChatGPTやClaudeをはじめとする生成AIの普及により、企業でもAIを業務に活用する動きが広がっています。
注目されているのが、AIが業務システムと連携し、情報の検索や整理を行う「AIエージェント」です。その実現を支える技術が、「MCP(Model Context Protocol)」です。
kintoneを利用している企業でも、MCPへの対応によってkintoneに蓄積されたデータをAIが活用しやすくなり、日々の業務効率化につながる可能性があります。
「MCPはkintoneとどう関係するの?」
「kintoneでAIを活用すると、何が変わるの?」
そんな疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、kintoneユーザー向けにMCPのポイントを紹介するとともに、業務での活用例や、MCP対応プラットフォーム「mitoco Buddy」で実現できることを紹介します。
生成AIは、文章の作成や要約、アイデア出しなどを行うツールとして、日々の業務で活用される場面が増えてきました。
一方で、「AIに質問して答えをもらう」だけでは、業務効率化には限界があります。
例えば、
「今日対応が必要な案件を教えて」
「最新の顧客情報を確認したい」
「案件情報を要約して」
「問い合わせ内容を登録して」
こうした依頼をAIにしたとしても、その情報がSalesforceやkintoneなどの業務システムに保存されている場合、AIだけでは情報を取得したり更新したりすることはできません。
企業でAIツールを"業務のパートナー"として活用するためには、AIと業務システムが連携できる仕組みが必要です。
そこで注目されているのが、「MCP(Model Context Protocol)」です。
MCPを活用することで、AIはkintoneなどの業務システムの情報を利用しながら、より実践的な業務支援ができるようになります。
まずは、「AIエージェント」とは何かを整理しておきましょう。
生成AIと聞くと、多くの方はChatGPTやClaudeのようなAIチャットを思い浮かべるのではないでしょうか。
こうした生成AIは、
質問への回答
メールの作成
資料の要約
アイデア出し
などを得意としています。
一方、AIエージェントはそれだけではありません。
業務システムと連携し、必要な情報を取得したり、複数の作業を順番に実行したりと、「考える」だけでなく「業務を進める」ことまで担えるのが大きな特徴です。
例えば、「今日期限が近い案件を確認して担当者へ通知して」と依頼すると、業務システムから案件情報を取得し、担当者への通知まで一連の作業をサポートできます。
これまで人が画面を切り替えながら行っていた作業を、AIが代わりに進めてくれるイメージです。
「AIチャットとAIエージェントは何が違うの?」と思われる方もいるかもしれません。
大きな違いは、業務システムと連携して実際の処理まで行えるかどうかです。
AIチャットは、
「営業メールを書いて」
「この文章を要約して」
といった依頼には非常に便利です。
一方で、
「案件情報を更新して」
「顧客情報を検索して」
「社内システムへ登録して」
といった業務は、AIチャットだけでは実行できません。
AIエージェントは業務システムと連携することで、データの取得や更新、複数システムをまたいだ処理まで行えるようになります。
そのため、企業でAIを活用する動きは、「AIチャットを使う」から、「AIエージェントに業務を任せる」へと少しずつ変わり始めています。
AIチャットは便利ですが、企業の業務で使おうとすると、意外な壁があります。
それは、AIだけでは社内の業務データを扱えないということです。
例えば、
「A社との商談状況を教えて」
と質問しても、商談履歴がSalesforceやkintoneなどの業務システムに保存されていれば、AIはその内容を知ることができません。
また、
「案件を登録して」
と依頼しても、どのシステムに、どのような手順で登録すればよいのかまでは判断できません。
つまり、企業でAIを活用するためには、
社内システムへアクセスする
必要な情報を取得する
データを登録・更新する
といった仕組みが欠かせません。
これまでは、その都度システムごとに個別開発を行うことが一般的でした。しかし、利用するシステムが増えるほど開発や保守の負担も大きくなり、AI活用を広げるうえでの課題となっていました。
こうした課題を解決するための仕組みとして登場したのが、MCPです。
MCP(Model Context Protocol)は、AIと業務システムを連携させるための共通プロトコルです。
MCPについての詳細は下記ブログで解説しています。
関連記事:MCPを非エンジニアにもわかりやすく紹介!広がるAI活用
MCPサーバーは、AIと業務システムの橋渡しをする役割を担います。
例えばAIが「〇〇株式会社の案件情報を教えて」と指示を受けると、MCPサーバーを介してkintoneやSalesforceなどの業務システムへアクセスし、必要な情報を取得してAIへ返します。AIはその結果をもとに、利用者へ分かりやすく回答します。
MCPの詳しい仕組みや特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:MCPを非エンジニアにもわかりやすく紹介!広がるAI活用
ここまで、MCPがAIと業務システムをつなぐための共通プロトコルであり、MCPサーバーがその橋渡しを担う仕組みをご紹介しました。
では、kintoneを利用している企業にとって、MCPはどのような意味を持つのでしょうか。
その答えは、kintoneに蓄積されたデータを、AIが業務に活用できるようになることにあります。
kintoneには、案件管理や問い合わせ管理、申請管理など、日々の業務データが蓄積されています。
一方で、
必要なレコードを探すのに時間がかかる
過去の対応履歴を何度も検索している
欲しい情報がどのアプリにあるか分からない
と感じたことはないでしょうか。
データは蓄積されているものの、「活用するまでに手間がかかる」という課題を抱えている企業は少なくありません。
AIエージェントとMCPを組み合わせることで、こうした情報の探し方も変わっていく可能性があります。
これまでのように画面を開いて検索するのではなく、AIに質問するだけで必要な情報を探したり整理したりできるようになれば、情報活用のスタイルそのものが変わるかもしれません。
営業活動では、商談前に顧客情報や案件状況を確認する場面が多くあります。
例えば、
顧客の基本情報
過去の商談履歴
現在の案件状況
次回のアクション
といった情報を確認するために、複数の画面を開いた経験がある方も多いのではないでしょうか。
AIがkintoneの案件データを利用できるようになると、
「来週提案予定の案件を教えて」
「優先度が高い案件だけ一覧にして」
「〇〇株式会社との商談内容を要約して」
といった依頼にも、自然な会話で対応しやすくなります。
情報を探す時間が短縮されれば、その分、提案内容の検討や顧客とのコミュニケーションなど、本来注力したい業務に時間を使いやすくなります。
問い合わせ対応では、過去の対応履歴を確認する場面が少なくありません。
「以前にも同じ問い合わせはあっただろうか」
「そのときはどのように対応したのだろう」
そんな確認のために、検索を繰り返した経験がある方もいるでしょう。
AIが問い合わせ履歴を活用できるようになると、
「同じような問い合わせは過去にある?」
「関連する対応履歴をまとめて」
「回答文のたたき台を作成して」
といった依頼にも対応しやすくなります。
担当者は必要な情報を探す時間を減らし、ユーザー対応により集中できるようになります。
kintoneは、経費申請や各種申請などのワークフローにも広く利用されています。
例えば、
未承認の申請
差し戻しになっている申請
今月提出された申請
などを確認したい場面では、条件を指定して検索することも少なくありません。
AIが申請データを利用できるようになると、
「未承認の申請を教えて」
「承認待ちの件数をまとめて」
「差し戻し理由を一覧で確認したい」
といった依頼にも、会話形式で必要な情報を確認できるようになります。
管理者が何度も画面を切り替えることなく、必要な情報へアクセスしやすくなるでしょう。
ここで押さえておきたいのは、AIはkintoneに代わる存在ではないということです。
kintoneは、業務データを蓄積・管理するための基盤であり、その役割はこれからも変わりません。
AIの役割は、そのデータをより活用しやすくすることです。
必要な情報を探したり、内容を整理したり、複数のデータをまとめたりと、人が行っていた作業をサポートすることで、日々の業務を効率化します。
そのためには、AIとkintoneをスムーズにつなぐ仕組みが欠かせません。
MCPは、そのための重要な技術の一つです。
AIを業務で活用する企業が増える中で、「どのAIを使うか」だけでなく、「AIを業務システムとどう連携させるか」も、今後ますます重要になっていくでしょう。
kintoneに蓄積されたデータをAIが活用できるようになることで、情報を探す手間を減らし、必要な情報へ素早くアクセスできるようになります。
こうした活用は営業部門だけでなく、サポート部門やバックオフィスなど、さまざまな業務へ広がっていくことが期待されます。
その実現を支える技術の一つがMCPです。
ここでいう「kintone MCPサーバー」とは、AIがMCPを介してkintoneのデータを取得・活用できるようにする仕組みです。
kintoneには、顧客管理や案件管理、問い合わせ管理、申請管理など、企業ごとの業務データが日々蓄積されています。AIを業務で活用するには、こうしたデータを必要なタイミングで利用できることが重要です。
しかし、MCPサーバーを利用するためにはMCPに対応したAIツールが必要となります。Claudeなどでkintoneと接続することも可能ですが、企業でAIを活用する場合にはmitoco BuddyのようなAIプラットフォームを利用することで、セキュアに・簡単にMCP連携が可能になります。
mitoco Buddyは最新バージョンでkintone MCPサーバーに対応しました。これにより、kintoneに蓄積された情報をAIが活用しながら、チャットを起点とした業務を行えるようになります。
例えば営業担当者であれば、
「〇〇株式会社の最新案件を教えて」
「今週更新された案件を一覧で表示して」
「案件情報を要約して、次回提案のポイントを整理して」
といった依頼をチャットで行い、必要な情報をすぐに確認できます。
問い合わせ対応では、
「同じような問い合わせは過去にある?」
「関連する対応履歴をまとめて」
「回答文のたたき台を作成して」
といったように、kintoneに蓄積された情報をもとにAIが業務をサポートします。
また、申請管理でも、
「未承認の申請を教えて」
「今月提出された申請をまとめて」
「差し戻しになっている申請を一覧で表示して」
といった情報を、チャットで確認できるようになります。
※利用できる機能は、利用するkintone MCPサーバーや環境によって異なります。
これまで画面を切り替えながら情報を探していた業務も、AIとの対話を通じて必要な情報へアクセスできるようになれば、日々の業務はよりスムーズになっていくでしょう。

実際の業務では、kintoneだけですべてが完結する企業はそれほど多くありません。
例えば、
顧客情報はSalesforce
案件管理はkintone
社内コミュニケーションはSlackやMicrosoft Teams
ファイルはSharePointやGoogle Drive
というように、用途に応じて複数のツールを使い分けています。
そのため、AIも一つのシステムだけを見るのではなく、必要な情報を複数のシステムから取得できることが重要になります。
mitoco Buddyは、kintone MCPサーバーに加え、Salesforceをはじめとした複数のMCPサーバーにも対応しています。
例えば、
「A社の案件状況を確認して、関連資料も探して」
と依頼すると、複数のシステムにある情報を組み合わせながら業務をサポートできます。
業務システムを横断して情報を活用できることは、AIチャットにはないAIエージェントの大きな特長の一つです。

AIが業務システムと連携できるようになるほど、企業では「安心して使えること」がこれまで以上に重要になります。
例えば、
利用者ごとの権限管理
機密情報へのアクセス制御
利用状況の把握
安全にAIを利用できる環境
といった企業ならではの要件も欠かせません。
mitoco Buddyは、MCPによるシステム連携だけでなく、こうした企業利用を前提とした機能も備えたAIプラットフォームです。
AIエージェントの価値は、単に高性能なAIを利用できることではありません。
業務システムと安全につながり、社員が普段の業務の中で無理なく活用できてこそ、AIは本来の力を発揮します。
MCPへの対応が広がり、AIエージェントを業務に取り入れやすい環境が整いつつある今、自社の業務でAIをどのように活用できるのか、この機会にイメージしてみてはいかがでしょうか。

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