
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する中、従業員の労働時間を適正に管理し、業務効率を向上させるために勤怠管理システムの導入が一般化しています。特に、既にSalesforceを導入している企業においては、Salesforceプラットフォーム上で勤怠管理システムを利用することで、従業員が毎日打刻のためにシステムへログインし情報入力の定着化に繋がるというメリットがあります。
本記事では、このメリットを実現するSalesforceプラットフォーム上のグループウェア「mitoco」と、そのオプション製品であるクラウド型勤怠管理アプリケーション「mitoco Work 勤怠」について、詳しくご紹介します。
まずはじめに勤怠管理システムについての基本を確認します。
勤怠管理システムは、従業員の出勤、退勤、休憩、休暇などの労働時間を正確に記録・集計し、管理するためのシステムです。労働基準法などの法令を遵守した適切な労働時間管理は、企業のコンプライアンス強化の観点から非常に重要です。
従来の勤怠管理は、タイムカードや出勤簿といった紙の記録を基に、手作業で集計や計算を行うのが一般的でした。しかし、この方法では集計ミスが発生しやすく、多くの工数や時間を要するという課題がありました。勤怠管理システムを導入することで、これらの煩雑な作業を自動化し、正確かつ効率的な勤怠管理を実現できます。
近年、勤怠管理システムの主流は、インターネットを通じてサービスが提供されるクラウド型へと移行しています。クラウド型が選ばれる理由として、以下の点が挙げられます。
| クラウド型勤怠管理システム | 従来のオンプレミス型 |
導入・運用コスト | 初期費用を抑えやすく、法改正によるシステム改修や更新費用もサービスに含まれることが多い | サーバー購入やシステム構築に高額な初期費用がかかり、法改正の都度、改修コストが発生する |
場所の制約 | インターネット環境があれば、場所やデバイスを問わずアクセス可能 | 特定の場所やシステムに限定されることが多く、出社が必須となる場合がある |
セキュリティ | ベンダーが提供するセキュリティ基盤上で運用可能 | 自社で高度なセキュリティ環境の構築・維持が必要 |
システム更新 | 定期的なバージョンアップにより、常に最新の状態で利用できる | 定期的なOSやミドルウェアのパッチ適用などのメンテナンス作業負担がある |
クラウド型は、BCP(事業継続計画)対策や、多様な働き方への対応、そして運用管理の負担軽減といった多方面のメリットから、企業の規模や業種を問わず主流になりつつあります。
特にSalesforceプラットフォーム上で動作する勤怠管理システムであれば、強固なセキュリティ環境と柔軟なアクセス環境のメリットに加え、他のSalesforceデータとの連携による情報の一元管理を実現できます。
クラウド勤怠管理システムのメリットとデメリットは具体的にどのようなものがあるのでしょう。
勤怠管理と給与計算業務の効率化
これまでエクセルで労働時間の集計を行い、勤怠情報を給与ソフトに手入力やCSV連携で実行していた工数を、API連携などで大幅に削減できます。これにより、勤怠情報の集計と給与計算にかかる労力を大幅に減らすことができる点が、勤怠管理システムの最大のメリットです。また、法改正の多い給与計算に対応できる勤怠管理ができるようになります。
クラウドによる利便性とデータ統合
クラウド勤怠管理システムはインターネット経由でアクセスできるため、どこからでもデータにアクセスできます。従業員は自宅や出張先からのオフィス外でも勤怠データを入力・確認が可能になります。
クラウドベースのシステムはリアルタイムでデータを更新し、管理者は従業員の勤怠状況を即座に確認できます。遅延やエラーを最小限に抑え、管理者は従業員の勤務状況から、36協定に準じた残業時間の月次集計や年度累計をリアルタイムで確認・分析が可能です。
自動化と通知、セキュリティ強化
クラウド勤怠管理システムは勤怠関連のプロセスを自動化できるため、手動の作業が削減可能です。従業員の出勤/退勤時刻や休暇等の申請・承認業務に対する通知を自動的に送信し、管理者の労力を節約します。
信頼性のあるクラウドベンダーであれば、高いセキュリティレベルと安定したバックアップシステムを確保しています。従って、データの損失やサイバー攻撃等のセキュリティリスクを低減します。
クラウドベンダーのシステムの安定性に依存する
クラウド勤怠管理システムはインターネット接続で利用するため、クラウドベンダーのネットワークの不安定性やサーバがダウンした場合は、データへのアクセスが制限される可能性があります。勤怠入力の締めとなる月末や月初にシステムがダウンすれば、勤怠処理が締められなくなるケースを想定しておかなければなりません。
クラウドベンダーのセキュリティレベルに依存する
クラウドにデータを保管するということは、セキュリティ問題を引き起こす可能性があります。クラウドベンダーがデータ侵害や不正アクセスに対する対策が不十分な場合、社員の給与データなどの機密情報が漏洩する可能性があります。
コストと導入
クラウド勤怠管理システムは設定費用、サブスクリプション費用、連携費用などがかかる場合があり、初期投資とランニングコストが発生します。エクセルで勤怠集計をしている企業には、新たなコスト負担になります。
新しいシステムの導入にはトレーニングが必要です。既存の従業員と管理者に、クラウドベンダーから適切なサポートが提供されない場合、導入作業が困難になる可能性があります。
クラウド勤怠管理システムのメリットとデメリットを整理してみると業務の効率性、アクセス容易性、リアルタイムデータ、自動化などの多くのメリットがあります。
しかしその一方、インターネット接続の必要性、セキュリティ懸念、コストと導入の難しさなどのデメリットも考慮する必要があります。
適切なクラウドベンダーの選択と適切な対策を講じることができれば、企業はこれらの課題に対処し、クラウド勤怠管理システムを導入できます。
ではクラウド勤怠管理システムを検討する際にはどのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。
業界・業種によってさまざまな勤務形態があるので、自社に合った要件を満たしているかは重要なポイントとなります。
クラウド勤怠管理システムを導入する上で、従業員がストレスなく、正確に打刻できるかという点は重要です。
打刻方法には様々な種類があり、自社の業務形態や勤務場所に合わせて最適な方法を選択する必要があります。
打刻方法 | 特徴 |
Web打刻 | PCやスマートフォンから、Webブラウザを利用して打刻する方法。どこからでもアクセスできるため、リモートワークや外出が多い従業員に適しています。 |
モバイル打刻 | スマートフォンなどのモバイルアプリを利用し打刻する方法。外出先や直行直帰が多い営業担当者などの勤怠管理に有効です。 |
ICカード打刻 | 交通系ICカードや社員証など、ICカードをリーダーにかざして打刻する方法。オフィスでの出退勤管理に適しています。 |
生体認証(指紋・顔)打刻 | 指紋や顔などの生体情報を用いて打刻する方法。なりすましを防ぎ、より厳格な本人確認が可能です。 |
勤怠管理は毎日の業務であり、打刻が簡単で確実に行えることは、システムを定着させるための大きな鍵となります。
クラウド型勤怠管理システムを検討する上で、モバイルアプリの有無は非常に重要なポイントです。多岐にわたる働き方が普及している現代において、オフィス以外の場所で働く従業員にとって、スマートフォンやタブレットから勤怠管理を行えることは必須と言えます。
モバイルアプリに対応していることで、以下のようなメリットがあります。
場所の制約を受けない
外出先や移動中でも、打刻や申請・承認業務をスムーズに行うことができ、業務の停滞を防げます。
利便性の向上
Webブラウザでの操作に比べ、モバイルアプリは軽快な操作感や、プッシュ通知などにより、利用者の利便性が向上します。
承認の迅速化
外出が多い承認者であっても、スマートフォンから申請内容の確認と承認が可能なため、申請の滞留を防ぎ、業務の大幅な時間短縮に繋がります。
勤怠管理システムは、単に労働時間を記録するだけでなく、有給休暇や代休・振替休日の管理といった、休暇関連の機能が充実していることも重要な選定ポイントです。日本の商習慣に合わせた柔軟な休暇管理が可能であるか、以下の点を確認しましょう。
休暇申請・承認のワークフロー連携
従業員がシステム上で休暇申請を行い、上長が承認する一連のプロセスをスムーズに行えるか。特に、社内の他の申請(経費精算や稟議など)と同じワークフローで一元管理できると、承認作業の効率が向上します。
休暇情報の自動反映
承認された休暇情報が、自動でカレンダーなどのスケジュール管理機能に反映されるか。これにより、スケジュール調整の際に休暇中のメンバーを容易に把握でき、二重管理の手間を削減できます。
残数管理とアラート機能
従業員自身が、自身の有給休暇や代休の付与日数、取得残数をリアルタイムで確認できるか。また、残業時間の上限など、36協定に準じたアラート機能が搭載されていると、健全な労働時間管理に役立ちます。
勤怠管理システムは、労働基準法をはじめとする各種法令に対応している必要があります。特に日本の労働法は改正されることが多く、システム側で法改正に迅速かつ適切に対応できるかは、コンプライアンス維持のために欠かせません。
また、勤怠管理で集計された正確な労働時間は、給与計算システムへ連携されることで、給与計算業務の効率化と正確性向上に直結します。API等で自動に連携されるものや、CSVでエクスポートし給与計算システム等に連携できるものもあり、現状の会計システムや給与計算システムとの連携もチェックするポイントです。
alesforceを導入している企業にとって、勤怠管理システムをSalesforceプラットフォーム上で稼働させることは、多くの相乗効果をもたらします。既存のインフラストラクチャを最大限に活用し、業務効率とセキュリティレベルを同時に向上させる、非常に合理的な選択と言えます。
Salesforceプラットフォーム上で利用可能な勤怠管理システムとしては、TeamSpirit(チームスピリット)や、グループウェア「mitoco(ミトコ)」と連携する「mitoco Work 勤怠」などがあります。これらのシステムを利用することで、以下のような明確なメリットがあります。
企業の重要な情報を取り扱う勤怠データにとって、セキュリティの確保は最優先事項です。Salesforceプラットフォームは、世界中の15万社以上の企業に利用されており、国際的な第三者認証を多数取得した世界トップクラスの堅牢なセキュリティ基盤を誇ります。
このプラットフォーム上で勤怠管理を行うことで、自社で莫大なコストと専門知識を投じて同レベルのセキュリティ環境を構築・維持する必要がなく、重要な勤怠データを安全な環境で管理できます。
Salesforce上で勤怠管理を行う最大のメリットの一つは、Salesforceの利用を全従業員に「習慣化」させられる点です。
毎日打刻のためにログイン:
全従業員が日々の出勤・退勤の打刻のために、Salesforceプラットフォームにログインする機会が生まれます。
情報へのアクセス頻度向上:
Salesforceが提供する顧客情報や活動履歴、社内情報を「ついでに」確認・入力する頻度が高まります。
結果として、Salesforceへのアクセス率が向上し、営業担当者以外の従業員も含めた全社的なシステム定着化を促進します。情報入力の定着化は、Salesforceに集まるデータの質と量を高め、レポートや分析の精度向上にも貢献します。
Salesforceプラットフォーム上で勤怠管理を行う具体的なソリューションとして、株式会社テラスカイが提供するグループウェア「mitoco」と、そのオプション製品である「mitoco Work 勤怠」をご紹介します。

「mitoco」は、Salesforceプラットフォーム上で動作するグループウェアであり、カレンダー、ワークフロー、掲示板、トーク(チャット)など、社内やチームのコミュニケーションと情報共有に必要な機能が一通り揃っています。
mitocoはこれらの機能をSalesforceの操作画面に統合し、「1つのツールで仕事が進む」環境を提供します。これにより、情報の分散を防ぎ、従業員は日々の業務に必要な情報に容易にアクセスできるようになります。また、mitocoに登録したデータは全てSalesforceに格納・連携されるため、情報の一元管理が容易になります。
Salesforceのライセンスを持たない部門でもmitocoを利用すれば、取引先や取引先責任者といったSalesforceのオブジェクトを利用でき、営業部門以外の社員にも情報共有が進みます。
「mitoco」のオプション製品である「mitoco Work 勤怠」を利用することで、Salesforceプラットフォーム上で高度な勤怠管理機能を追加できます。
最大の特長は、Salesforceのトップ画面から打刻が可能となる点です。従業員は、毎日Salesforceにログインした際に、その画面から出勤・退勤の打刻や勤怠申請をスムーズに行えます。
また、勤怠に関する申請(残業、休暇など)も「mitoco」のワークフロー機能と連携し、社内のあらゆる申請・承認を一元管理できます。これにより、承認者は「あれこれ確認不要」で全ての申請を一画面で確認できるため、承認の迅速化と業務効率の向上に貢献します。
全従業員が利用する「mitoco」を起点に勤怠管理を行うことで、Salesforceへのアクセス頻度が高まり、システム定着化の促進にも繋がります。
mitocoのグループウェア機能と連携、アプリも使える
mitocoのグループウェア機能にホーム画面があります。ホーム画面と連携していますので、グループウェアを立ち上げた画面で勤怠打刻ができ、打刻漏れが減ります。もちろんモバイルアプリでも使えるので、外出時でも便利に使えます。
毎日の出退勤の打刻をSalesforce上で行うことで、Salesforceを確認・入力する習慣がつきます。
カレンダーと連動した休暇申請
例えば、mitoco Work 勤怠で有給休暇の申請を行った場合、すぐにグループウェアのカレンダーとも連動します。従来の勤怠管理システムでは、休暇申請と社内カレンダーが別々のため、休暇の予定をスケジュールに入れ忘れてしまうや、二重入力が面倒などの課題もありましたが、グループワークと密に連携しているため休暇予定がすぐにカレンダーで確認できます。
様々な勤怠管理に柔軟な対応ができる
最大30種の休暇設定ができますので、企業独自の休暇も対応できます。10種類の勤務申請があり、テレワークなどの働き方の申請も可能です。Salesforceプラットフォームが得意なアラート表示で申請漏れも防ぎます。
フレックスやコアタイムに対応していますので、様々な就業状況を把握することができます。また36協定に準じた残業時間の年度の累計もリアルタイムで確認が可能であり、従業員の健康状態や勤務状況を見ながら、上司は組織マネジメントが可能です。
Salesforce上での勤怠管理システムを活用することで、日々の業務をよりスムーズに行うことができます。特に、すでにSalesforceを導入している企業にとっては、プラットフォーム上で勤怠管理を行うことで、従業員が日常的にシステムにアクセスする習慣がつき、他のSalesforce機能の利用促進にもつながります。これにより、勤怠管理だけでなく、全体の業務効率も向上させることができるのです。
また、クラウドベースのシステムを利用することで、いつでもどこでも勤怠情報にアクセスできる柔軟性があり、リモートワーク環境でも活躍します。セキュリティ面でもSalesforceの強固な基盤を活用できるため、安心して利用できます。
このようなメリットを踏まえ、Salesforce上での勤怠管理システム導入を検討してみてはいかがでしょうか。まずは無料トライアルやデモを試して、その利便性を実際に体験してみることをお勧めします。これを機に、業務のデジタル化をさらに進めてみましょう。
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