
テレワークが普及し、「ワークフローシステム」という言葉を耳にすることが多くなりました。ペーパーレス化にもつながる便利なワークフローですが、導入するにはどのような手順で進めればよいのでしょうか。
そこでワークフローシステムのメリット、使い方、選び方のポイント、導入手順を解説します。
ワークフローとは、本来はビジネスのプロセスや業務の流れといった意味ですが、国内でシステムの「ワークフロー」という言葉を使う際は申請作業などの段階を踏んで承認を得る業務や流れを指すことが多いでしょう。
具体的には、企業内の申請や承認、情報の共有など日々の業務フローを効率的に行うためのルールやプロセスを確立し、それをシステム化したものを指します。
以下に経費で備品購入する際のプロセスの一例をご紹介します。
フロー | 詳細 |
購買部門の担当者が稟議申請 | 備品を購入する担当者が、購入の目的や金額、支払い条件等を確認し、備品購入に関する社内申請を行う。 |
購買部門の管理職が稟議承認 | 購入担当者が所属する部署のマネージャーや管理職が、購入目的や金額などを確認し承認を行う。その後、管理部や役員といった承認権限を持つ担当者に申請を回す。 |
役員が稟議承認 | 最終決裁権限をもつ担当者が承認を行い、最終承認がされる。 |
購買部門の担当者が発注 | 最終承認後に、購入を行う担当者が実際に調達する。 |
担当者が請求書と稟議書を経理部に提出し、経費精算 | 購入に関する請求書が届いた際に、請求書および決済された稟議書もしくはワークフロー承認を証票として経理部門に提出する。 |
上記のようなプロセスで物品購入の申請が行われますが、こういった承認ルートは企業規模や業界により異なります。大企業は多くの承認者がおり、また中小企業は少人数で最終承認が行われる場合もありますので、自社の承認プロセスやワークフローを理解しておきましょう。
ワークフローと業務フローは似たような意味で使われることもありますが、それぞれ異なる概念です。
ワークフローは、特定の業務を完了させるための「業務の流れや手順」を指し、特に申請・承認作業においてそのプロセスを誰が・いつ・どのように進めるのかという視点から整理される点が特徴です。一方、業務フローは、会社全体や部門単位の業務を「機能別や業種別」に俯瞰した流れであり、業務の全体像や関係性を可視化する目的で使われます。
つまり、業務フローはより広い視点から業務を捉えるもので、ワークフローはその中の一部にあたる、具体的な業務や申請・承認の進行ルールやフローです。ワークフローはシステム化されることで業務効率化に直結しやすく、業務フローは業務改善や組織構造の見直しに役立つ分析資料として機能します。
業務の流れを効率よく進めるためにも、ワークフローの可視化や整理は不可欠です。
しかし、実際の現場では、紙や口頭でのやり取りが混在し、手間やミスが発生しやすいのも現状です。そうした課題を解決するために活用されているのが、「ワークフローシステム」です。次章では、その基本的な役割や主な機能について解説します。
ワークフローシステムは、申請・承認のプロセスを電子化するシステムのことです。稟議のような申請・承認フローを電子化することで、承認期間の短縮やコンプライアンスの強化につながります。また、稟議の他にも経費や残業時間の管理などにも活用できます。
また、業務のDXが進み、現在では「ワークフロー」というと、こういった承認プロセスをデジタル化するシステム自体を指すことも多くなっています。
一般的に、現在ではさまざまなWebサービスがありますが、ワークフローシステムは一般的に以下のような機能一覧を兼ね備えています。
導入を検討する際には、機能が自社の運用とあっているかなどを確認し、製品を比較するとよいでしょう。
1. 申請・承認フローの設定:
ワークフローシステムでは、社内の申請・承認フローを自社の業務に合わせて柔軟に設定できます。これにより、申請者は承認者を選択したり、申請内容を入力したりするだけで、自動的に承認者へ申請書が届けられます。また、承認者は申請書を確認し、承認・否認を選択するだけで業務が完結します。これにより、承認フローがスムーズに進行し、業務の効率化が期待できます。
見積り申請や、稟議書の申請、経費精算の申請等さまざまな場面で活用されます。
2. 履歴管理:
ワークフローシステムには、過去の申請・承認履歴を管理する機能があります。
これにより、いつ誰が何を申請し、誰が承認したのかといった情報を容易に把握することができます。また、この機能を活用すれば、問題が発生した際の調査や、コンプライアンスの観点からの記録管理も行いやすくなります。経理への精算を行う際にワークフローの承認履歴を証票とすることも可能です。
3. 通知・リマインダー機能:
申請や承認が進行した際に、関連する人々にメールなどで自動的に通知を送る機能があります。これにより、申請や承認の遅延を防ぎ、業務のスムーズな進行をサポートします。
4. 統計・レポート機能:
申請や承認の状況を分析し、統計データやレポートとして出力する機能もあります。これにより、業務の状況を定量的に把握し、改善のためのデータを得ることができます。
これらの機能により、ワークフローシステムは業務の効率化、コミュニケーションの円滑化、コンプライアンスの強化など、多くのメリットを提供します。
ワークフローシステムを導入することで、紙の申請書が抱える問題点を解消できます。ワークフローシステムの具体的なメリットについて見てみましょう。
ウェブブラウザで利用できるクラウド型のワークフローシステムであれば、自宅やオフィス以外の場所でも申請・承認が可能です。申請・承認のための出社を減らせるため、テレワークをスムーズに実施できます。
クラウド型のワークフローシステムであれば、出張中でもPCやモバイルから申請・承認できます。また、申請書を回覧・押印する必要がないため、上司の外出時などでも承認期間の短縮につながります。
ワークフローシステムによって、承認の流れが可視化されます。複数の承認者がいる場合、どこで申請が止まっているか分かるため、「早めに承認してほしい」というケースも、だれに確認すればよいかがすぐに分かります。
フォーム入力で申請書を作成できるため、記入漏れや入力ミスを防ぐことが可能です。また、過去の申請書を検索して流用できるため、申請書の作成がスピーディーにできます。
承認された申請データは改ざんや廃棄ができないため、不正の防止やコンプライアンスの強化につながります。また、社内の申請書類や承認ルート、請求書や領収書などの証憑書類を電子データとして一元管理することができるため、監査にも迅速に対応できます。
申請書は電子データとして保存されるため、印刷費や郵送費、保管にかかる費用などが不要になります。また、紙の申請書に比べて申請書の作成や検索をする時間が短縮できるため、人的コストの削減にもつながります。
ワークフローシステムを導入せずに紙の申請書を使用している場合、以下のような問題点が発生する場合があります。一部の申請業務をアナログな紙・押印での申請として残している企業もあり、以下のような課題がある会社も多いのではないでしょうか。
申請・承認を行う際の押印のために、出社する必要があります。そのため、テレワークを実施しようとしても、スムーズに行うことができません。
また、承認者が出張や外出をしている場合には押印を得られず決裁まで時間がかかってしまうこともあり、ビジネスのスピード感が下がってしまうことにつながります。
決裁者が出張で不在の場合、承認作業が進みません。また、「支店で申請書を作成し、本社の社長が決裁する」といった場合は、申請書を郵送する必要があるため時間がかかります。承認状況が分からない
複数の承認者がいる場合、どこまで承認が進んでいるか分かりません。そのため、「急いで承認してほしい」という場合も、承認者に対して一人ずつ承認状況を確認する必要があるため、なかなか承認を進めることができません。
手書きの申請書の場合、作成するために手間や時間がかかります。また、過去に申請した内容と同じものであってもコピーして流用できないため、一から申請書を作成する必要があり、業務効率が悪くなります。
承認者の変更や、申請書のフォーマットが変更になる際にもひな形の修正が必要になり、業務が煩雑になる可能性があります。
紙の申請書を保管するために、ファイルや棚、倉庫が必要になります。また、申請書がきちんと保管・管理されていない場合、紛失するリスクもあります。
ワークフローシステムといえば、稟議の電子化(電子稟議)を思い浮かべる人が多いかもしれません。
稟議の他にも、ワークフローシステムの使い方は数多くあります。ワークフローシステムの使い方をご紹介いたします。
備品の購入費や交通費といった経費、出張時の手当の申請・承認にもワークフローシステムを使えます。
ワークフローシステムにレポート機能が備わっていれば、部署や個人単位で、どのくらい経費や手当が発生しているか確認することが可能です。
残業の申請・承認にもワークフローシステムを使えます。こちらもレポート機能があれば、部署や個人単位での残業時間を一目で確認することが可能です。
メールやチャット、勤怠管理システムなど、さまざまなツールを利用している企業も多いでしょう。新たに従業員が入社したり退職したりすると、これらのツールのアカウントを新規に作成したり削除したりする必要があります。
ワークフローシステムによって、「人事部がアカウントの作成を申請→情報システム部で承認後に作成」という流れで手続きするようにすれば、対応の抜け漏れがなくなりアカウント管理がしやすくなります。
クレームが発生した場合、迅速な対応を行うことはもちろん、クレームの内容や対応履歴などを社内の関係者に共有し、再発防止につなげることも重要です。ワークフローシステムを利用すれば、社内の関連部署に漏れなくクレーム内容を共有できます。また、顧客管理システムと連携できれば、顧客ごとにクレームの履歴を把握することも可能です。
「新しい契約書を締結したい」という場合も、ワークフローシステムで申請・承認するとよいでしょう。さらに、電子契約システムもあわせて利用すれば、社内の申請から契約までペーパーレス化できます。
このようにとても便利なワークフローシステムですが、選定する際にはどのような点に気をつけて検討すればよいのでしょうか。いくつか検討ポイントをご紹介します。
申請・承認フローは企業によって異なります。例えば、以下のような承認フローについて、柔軟に対応できるか確認しましょう。
条件分岐:金額が100万円を超えたら社長承認、100万円未満は本部長承認
回覧:支払いに関する申請はすべて経理部も閲覧
複数承認:複数の承認者がいる場合は、一人でも否認したら差し戻し
ワークフローシステムは、あらゆる部門の従業員が利用します。「モバイルでも利用できるか」「操作は難しくないか」など、使いやすいかどうか確認しましょう。
また、承認プロセスの設定が簡単にできるかなどもポイントになります。
ワークフローシステムは、大きく分けると以下の2種類があります。「テレワークのために、すぐにワークフローシステムを利用したい」という場合は、クラウド型を選ぶとよいでしょう。
| オンプレミス型 | クラウド型 |
|---|---|---|
導入期間 | 長期にわたる場合がある | 短期での導入が可能 |
接続方法 | 社内ネットワーク | インターネット |
保守 | 自社で行う | 提供会社が行う |
外部システムと連携できるかどうかも重要な検討ポイントです。例えば、ワークフローシステムと顧客管理システムを連携できれば、申請時に顧客情報を自動入力することができるため、入力ミスの削減や入力の効率化につながります。
申請書に社外秘の情報を記載したり、契約書を添付したりして申請をすることがあります。そのため、情報漏えいや改ざんが生じないように、セキュリティ対策がしっかりされているワークフローシステムを検討しましょう。
ワークフローの基礎知識、ワークフローシステムのメリット、使い方、検討ポイントが理解できたと思います。では実際にワークフローシステムを導入する時は、以下のような手順で進めるとよいでしょう。
1. 現状の業務フローを把握
まずは現状の業務フローをしっかりと把握しましょう。どのような申請書があり、誰が何を承認するのかなど、現行の業務プロセスを整理することが重要です。
金融業界などは、複雑な承認プロセスとなっている場合もあり、現状の運用を把握することで適切なワークフローシステムが見つけられます。
2. 必要な機能をリストアップ
次に、自社の業務に必要な機能をリストアップします。例えば、承認フロー設定、履歴管理、通知機能など、必要な機能を明確にしておくことで、後々システム選定の際に役立ちます。
また、承認フローの承認方法もさまざまな種類があります。条件によって承認者が分岐する「条件分岐」や承認者が不在の際は次の承認者のステップに移行できる「空ステップ」などがあります。
3. システム選定
リストアップした機能を元に、ワークフローシステムを選定します。価格、サポート体制、使い勝手など、評価ポイントを設けて比較検討しましょう。
比較した内容を比較表としてまとめると、導入時の資料にもなるためおすすめです。
4. 導入準備
システムを導入する前に、社内のルール作りや、操作方法の教育などを行います。新たなシステム導入に伴う変化に対応するためには、周知や教育が不可欠です。
また、選定したワークフローシステムの機能で実現できることに合わせ、実際の運用を見直し、簡素化することで業務効率化につながることもあります。
5. システム導入・設定
システムを導入し、設定を行います。初期設定には時間がかかることもありますが、ここでしっかりと設定を行うことで、後々の運用がスムーズになります。
6. 運用開始
設定が完了したら、運用を開始します。必ず最初は試験運用を行い、問題がないか確認しましょう。
7. フィードバックの収集・改善
運用を開始したら、ユーザーからのフィードバックを随時収集します。そして、そのフィードバックを元に、システムの改善を行いつつ、より良いワークフローシステムの運用を目指しましょう。
以上がワークフローシステムの導入手順となります。一つ一つのステップを丁寧に踏むことで、ワークフローシステムの導入はスムーズに進められます。
Salesforceと連携するワークフローシステムとして「mitoco(ミトコ)」をご紹介します。
mitocoはクラウドで利用できるグループウェアとして、カレンダーや掲示板、チャット、ToDo管理などさまざまな機能を備えています。月々1ユーザー1,000円という安価に利用できるシステムですが、高機能なワークフローも追加費用無しで利用ができます。
柔軟な承認プロセスの設定などもでき、以下のようなメリットがあります。
承認ルートを設定する際にプログラミング知識は不要
回覧や分岐など、柔軟な承認ルートの設定が可能
大手の企業で利用されているSalesforce上で稼働しており、世界最高水準のセキュリティレベル
顧客管理システム(Salesforce)や電子契約システム(クラウドサイン)と連携が可能
無料トライアルもございますので、ぜひ一度mitocoのワークフローをお試しください。
最後にmitocoのワークフローの事例をご紹介いたします。
ワークフロー事例として、mitocoのワークフロー導入事例から効果のあったものをご紹介いたします。
もともと別のワークフローシステムを利用していましたが契約終了に伴いシステムの移行を検討。mitocoのワークフローに切り替えた後も、社内で問題なくワークフローが使われています。
参照元URL https://www.mitoco.net/case/digitaldata-solution
従来はビジネスパートナーの紹介依頼などの申請をもともと紙で申請・承認を行っていましたが、完了までに2日はかかっていました。mitocoのワークフローにより、承認者への通知機能などが活用でき短期間での決裁が可能となりました。顧客のニーズにスピーディーに応えることができるようになっています。
参照元URL https://www.mitoco.net/case/resonabank
これまでは平均で丸一日以上かかっていた決裁時間が、mitocoのワークフローによって平均約15時間にまで短縮しました。スマートフォンで承認ができる点も好評です。
参照元URL https://www.mitoco.net/case/digitaldata-solution
「ワークフローとは?システムのメリットや検討・導入手順の基礎知識」と題して、ご紹介してまいりました。
ワークフローシステムを導入する際には、紹介したような手順やステップで進めるとよいでしょう。ワークフローシステムを検討中の方に、少しでもこの記事がお役に立てれば幸いです。プログラミング不要で柔軟な設定ができるmitocoのワークフローもぜひお試しください。
当サイトでは業務改善やSalesforceの定着促進を検討している方、Salesforce上で動くクラウドERP・会計システムに興味がある方へ、様々なダウンロード資料をご用意しております。ぜひ資料をダウンロードいただき、ご活用ください。

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